外観

ごあいさつ

臨床検査は、患者さんから採取・排出した血液や尿、便、細胞などを調べる「検体検査」と、心電図や超音波検査など患者さんに直接電極やプローブを付けて調べる「生理機能検査」の2つに大きく分けられます。検査技術部では国家資格である臨床検査技師が「正確なデータを迅速に届ける」ために24時間体制で検査を行っています。
 

検査技術部
深田恵利奈

部門紹介

業務内容は、生理機能検査・輸血検査・病理検査・細菌検査をおこない、検体検査はブランチラボとなっています。また診療支援として、外来処置室と内視鏡センターでも臨床検査技師が勤務しています。現在、約50名の技師が所属しており、看護部からの6名の事務員とともに業務にあたっています。多くの技師が超音波検査士、細胞検査士、認定輸血検査技師、認定血液検査技師、認定病理検査技師、消化器内視鏡技師、糖尿病療法指導士等の資格や認定を取得するなど自己研鑽に努めています。 検査の質を維持するため、外部精度管理(日臨技及び医師会主催サーベイランス)に積極的に参加しています。また、2011年9月に一部の部署ではありますが、臨床検査室の品質と能力を保証する国際規格であるISO15189の認定を全国の済生会病院の中で最初に取得し、検体検査全般及び生理機能検査について2017年2月に拡大認定を取得しました。

病理検査室

病理検査室は、患者さんから採取した組織や体液から顕微鏡標本を作製し、癌などの病気を正確に診断する部門です。業務内容は内視鏡や手術により摘出された組織材料を調べる「病理組織検査」、胸水、腹水、喀痰等の体液の中にある細胞や甲状腺や乳腺などを穿刺して得られた細胞を調べる「細胞診検査」、また、手術中に良性・悪性の鑑別や摘出範囲を決める際、組織の一部をとって検査する「術中迅速組織診断」「迅速細胞診検査」があります。臨床検査技師は標本作製・管理、「細胞診検査」、「迅速細胞診検査」では細胞検査士の資格を持つ臨床検査技師が異常な細胞や的確な組織が採取されているか確認します。また、また亡くなられた方の病理解剖を行い、病理組織標本から亡くなられた原因および治療効果などを検証します。

検体検査室

検体検査室は、赤血球数・ヘモグロビン値などの血液検査、肝炎ウイルス・血糖・コレステロ-ルなどの免疫化学検査、尿糖・尿蛋白などの一般検査を院内で実施しています。緊急検査は40分以内に、それ以外のほとんどの検査は検体が到着後60分以内に報告しています。また、24時間体制をとり夜間緊急時にも迅速報告を心がけています。

4団体主催の外部精度管理サ-ベイランスに参加しており、ISO15189も取得しています。

細菌検査室

細菌検査室では、患者さんから採取される様々な材料 (尿、糞便、喀痰など)から、感染症の原因となる菌を検出しています。また、それに対する有効な抗菌薬を調べ、治療に役立てるデータを提供しています。他にもインフルエンザやRSなど季節性に流行するウィルスの検査を行い、特に新型コロナウィルスに対しては抗原検査とPCR検査を実施して、迅速診断に貢献しています。そして、ICT(Infection Control Team)に参加し耐性菌の出現をいち早く情報提供して、感染制御に貢献しています。

外来検体受付・処置室(3E)

外来検体検査の窓口になります。採血をはじめ、尿、便、たんなどの検査容器をお渡ししています。検査室の中でも特に患者さんとのかかわりが多い部署ですので、日々努力をしています。
採血業務には技師のみならず多数の看護師の協力をいただいています。

生理検査室

生理機能検査は心電図や脳波、呼吸機能、超音波検査など患者さんに直接触れて行なう検査です。検査には少し苦痛を伴う事もありますが、検査前にはどのような検査をするか、説明をして検査をおこなっています。

当院生理検査室で行なっている主な検査には循環機能検査、呼吸機能検査、神経生理検査、超音波検査などがあります。
 

循環機能検査

  • 心電図(安静心電図、自律神経検査、マスター負荷心電図)
  • トレッドミル
  • エルゴメータ
  • ホルター心電図
  • 24時間血圧記録
  • 血圧脈派検査(ABI/PWV、TBI)
 

呼吸機能検査

  • スクリーニング肺機能検査(肺活量、フローボリュウムカーブ)
  • 精密肺機能検査(クロージングボリュウム、機能的残気量、肺拡散能力)
  • 呼吸抵抗
  • アストグラフ
  • 呼気中NO濃度

神経生理検査

  • 脳波
  • 誘発電位(ABR、VEP、SEP)
  • 神経伝導速度
 

超音波検査

  • 心臓超音波
  • 腹部超音波
  • 頸動脈超音波
  • 甲状腺超音波
  • 乳腺超音波
  • 血管超音波
 

その他

  • 基礎代謝
  • 終夜睡眠ポリグラフィー(解析のみ)
  • 尿素呼気試験

基本的には心電図、スクリーニング肺機能検査、血圧脈派検査以外は予約検査となります。
※各検査が受けられない場合があります(受け入れ不可基準)

輸血検査室

輸血検査室では、輸血療法に必要な検査全般(血液型検査、不規則抗体スクリーニング、交差適合試験等)を行なうと共に、血液製剤の保管管理も行なっています。また、自己血採血室を併設して、自己血を使って手術を行う予定の患者さんの採血介助に携わったり、自己末梢血幹細胞移植の採取幹細胞保管管理等の診療支援や、一部診療科の白血球分類及び骨髄穿刺も行なっています。 輸血を必要とする状況は緊急性が高いことが多いので「安全な輸血製剤を迅速に供給する」ことを常に心掛けています。

内視鏡検査室

内視鏡センターでは、内視鏡スコープにより上部消化管(食道・胃・十二指腸)、下部消化管(盲腸、結腸~直腸)、胆道(胆のう、胆管)、膵臓を検査・治療しています。 上部・下部消化管内視鏡では、消化管壁から組織・ポリープを採取したり、腫瘍等の剥離・切除による検査、また腸閉塞や消化管狭窄に対してチューブやステントの挿入などによる治療をおこないます。胆道(胆のう、胆管)、膵臓では、超音波内視鏡やERCP(内視鏡的胆管膵管造影)によって細胞を採取したり、結石の採取やステントの挿入などにより黄疸の治療などをおこなっています。 これらの検査・治療を行う際には、患者様に麻酔などで痛みや苦痛を和らげる処置も行っており、医師・看護師・臨床検査技師・事務員が協力して、患者様に安全に、そして安心して検査・治療を受けていただけるようサポートしています。

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