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ごあいさつ

総合的な人工関節治療を目指して

 人工関節医療は、現在では整形外科学において極めて重要な位置を占めており、その手術適応となる疾患も先天疾患、外傷、変性疾患、腫瘍など非常に多彩となっています。このような人工関節を必要とするすべての患者様において安全で快適な入院生活が送れるように大阪府済生会中津病院では、2021年4月1日より人工関節センターを設立しました。整形外科医、リハビリテーション技術部(理学療法士・作業療法士など)、看護部、薬剤部、栄養部など関連する専門スタッフによるチーム医療として、今まで以上に総合的に人工関節治療にあたらせていただく体制となりました。これにより退院後においても満足度および質の高い生活がおくれるものと考えています。我々は今後も地域の医療に貢献し、専門とする人工関節手術については安全な手術、快適な入院生活という理念を掲げ、さらに発展させるべく努力してまいります。
 

人工関節センター センター長
渭川 徹秀

 

初診から退院までの案内

  • 外来初診
  • 地域のクリニックや他病院で人工関節手術を勧められた場合は、本院地域医療連絡室を通して、予約をとっていただいて整形外科人工関節センター外来を受診してください。また、股関節や膝関節痛があり手術に対して不安や悩みのある方についてもまずは当センターを受診してご相談ください。人工関節を専門としている整形外科医が対応し手術の適応を決定いたします。この際、まだ保存的治療(リハビリや薬物治療)が適応との判断をした場合、地域医療機関へ逆紹介させていただくこともあります。
  • 術前検査
  • 採血検査、心電図検査、胸部レントゲン検査などにより全身の健康状態をチェックし、手術が受けられる状態かどうかについて確認します。もし、検査にて異常が認められれば、院内のそれぞれの専門科に紹介させていただき、病状の確認や必要な治療をおこないます。
  • 入院まで
  • 原則的に手術の前日もしくは2日前に入院していただきます。入院までに麻酔科及び歯科口腔外科を受診します。また、入院に関する詳細については入院支援センターにてご説明させていただきます。
  • 麻酔科受診:基本的に全身麻酔で手術を施行します。術後の除痛目的に硬膜外カテーテルを留置します。安全に麻酔を受けられるようにこれらについて麻酔科医より説明します。
  • 歯科口腔外科受診:術前の口腔ケアは非常に重要です。歯周病などが原因で、口腔内の細菌が直接血液にながれ、人工関節に感染を引き起こしてしまうこともあります。術前よりケアを行うことで口腔内の細菌を減らし手術後の感染を予防します。また、手術後に起こる口の乾燥やねばつき感を抑え、不快な口腔の症状を緩和します。
  • 自己血貯血(人工股関節手術のみ):人工股関節手術では、手術中にある程度の出血が見込まれますので、術後の同種血輸血をできるだけ避けるために当院では、貧血がない場合はご自身の血液を術前に採取して貯めておく‘自己血貯血’を採用しています。手術の約2週間前に外来にて400mlを採取します(さらに術中の出血に対しても回収式自己血輸血も行っています)。
  • 手術日
  • 術前:病棟にて待機し手術室の準備が整いしだい手術室に移動します。
  • 術後:全身麻酔から覚めた状態で病室に戻ってきます。尿道には管(カテーテル)が入った状態となります。飲水は術後3時間後から開始となりますが、しばらくの間は点滴で補液します。術当日はベッド上の安静となりますが、元気な方はスタッフの介助下にて体を起こしたり、横向きになることもできます。両脚ともある程度自由に動かせますし、手術を受けた膝や股関節も自在に屈伸することができます。いろいろな方法で痛みが出ないようにしますので、手術後の痛みについてはあまり心配される必要はありません。
  • 術翌日
  • ベッド上でのリハビリが開始となります。下肢運動や可動域訓練など担当の理学療法士とともに行います。状況に応じて元気な方はベッドから車いすに離床します。
  • 術後2日目~
  • 理学療法士および作業療法士の指導のもと、立位訓練、歩行訓練、階段訓練、日常生活動作訓練などの本格的なリハビリを開始します。歩行が安定すれば、病院外の路上歩行訓練も行います。
  • 退院
  • 問題なければ術後3週程度で歩いて退院可能となります。回復に時間のかかる患者さんの場合はソーシャルワーカーと相談の上、リハビリ病院へ転院していただくこともあります。
  • 退院後の外来定期受診
  • 退院後約1か月で外来受診していただきます。この頃には階段昇降も可能となり、自転車にも乗れるようになります。ゴルフや社交ダンス、ウォーキングなどのスポーツやレクリエーションも可能となる方もいます。
  • それ以降は、術後1年までは3回程度、その後は年1~2回の定期受診を受けていただきます。人工関節は、術後にゆるみや疼痛などの合併症が生じないかについてもしっかりとフォローしていくことが重要ですので、特に症状がない場合でも少なくとも年に1回は定期受診をお願いいたします。

手術実績

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