外観

特長

主な疾患の治療方針の概要

関節リウマチ

メトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬を用いて、治療目標を掲げて治療計画を立てていきます(Treat to Targetに準じる)。必要時には分子標的治療薬*を使用し、そのリスク評価を徹底しております。また、状況に応じて生物学的製剤の終了・再開を行っています。

*分子標的抗リウマチ薬:2017年4月の時点で、生物学的抗リウマチ薬7剤(レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、シムジア)および分子標的合成抗リウマチ薬1剤(ゼルヤンツ)いずれも使用可能。

ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)
本邦の治療ガイドライン作成に携わった経験を生かし、早期診断・全身評価、早期治療(ステロイド大量療法および免疫抑制剤)、なるべく早めのステロイド漸減方針(EUVASと本邦の従来法の中間程度)を基本スタンスとしております。

ループス腎炎
腎臓内科との連携により、腎生検を含めた病態評価の上、重症度に応じた治療を行います。基本方針は米国リウマチ学会の推奨するものを参考に、本邦・ アジア人の治療成績を加味した方針をとります。シクロフォスファミド(CY)療法を行う場合、所謂‘EURO-Lupus’レジメンを用いることが多く、 CY療法よりもmulti-target療法(核酸代謝拮抗薬とカルシニュリン拮抗薬の併用)を多く用います。必要時には血液浄化療法(血漿交換・血液透析・特殊フィルターを使用した血液浄化療法など)を施行します。長期 腎機能維持を目指し、なるべくevidence-basedの治療を提供することを心がけています。また、ヒドロキシクロロキン(プラケニル)の導入を積極的に行っており、当院眼科の多大な協力のもと、導入前眼科検診および定期検診をお願いしています。

強皮症(など)に合併する肺高血圧症(PH)
強皮症に合併するPHを外来レベルでスクリーニングし、疑わしい場合には、循環器内科との連携により、右心カ テーテル検査で診断いたします。特に強皮症に合併するPHの原因は複数ありえますが、これらを評価し、肺動脈性肺高血圧(PAH)であると判断できる場合に、PAH専用の投薬を開始します(エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5阻害薬、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤など)。PAHのリスク因子とされる爪床部毛細血管の拡大観察により、毛細血管の欠損領域が多発している‘high-risk’例には通常よりも頻繁に心臓超音波検査および呼吸機能検査をすることがあります。また、これらの病態の客観的評価のために心配運動負荷試験を併用しているのは、当院独自の試みです。

外来について

当科初診の際には、かかりつけ医からの紹介状をご持参いただくと、診療がスムーズに運びますので、ご協力ください。

病診連携について

当院の地域における役割から、長期病状安定、長期治療固定・合併症なしなどの安定した病状の場合、かかりつけ医との病診連携を提案しています。当科外来受診間隔が半年~1年となり、その間かかりつけ医での定期診療・処方継続をお願いしています。疾患の再燃や合併症を疑うことがあった場合、かかりつけ医を通じて当科再診日を早めていただくことにより、迅速に対応することも可能です。長期間の間隔をあけて当科にかかり続けていただく理由は、連携先かかりつけ医の先生方の多くは膠原病専門家ではないからです。かかりつけ医の先生方に全般的健康管理をお願いしながら、専門的分野を専門家が担当するという連携の形にご協力ください。

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