外観

特長

主な診療疾患の治療方針について

消化性潰瘍 出血例では休日・夜間を問わず緊急内視鏡検査が行えるようにオン・コール体制をとっています。
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法は、年齢や薬剤アレルギーなどを考慮して施行します。
大腸ポリープ 隆起性病変に対しては、腫瘍性病変の可能性の高い径5ミリ以上の病変を治療の対象としております。
食道癌
胃癌
大腸癌
癌が疑われる場合には通常の内視鏡診断に加え、拡大内視鏡や狭帯域光観察(NBI)システムを用いた範囲診断、深達度診断を行います。また、各種画像診断(US・CT・MRI・EUS・PETなど)を行うことで、内視鏡治療、外科的治療、化学療法、放射線治療法のいずれの治療が最適かを判断します。近年、早期癌に対する内視鏡治療の進歩はめざましく、当科では内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を中心とした消化管の癌治療を行っています。
化学療法 当科では、消化器(食道・胃・大腸・膵臓・胆嚢・肝臓)の進行癌に対する癌化学療法を実施しています。根治的な手術が不能である進行癌に対しては、癌縮小効果や癌による諸症状の緩和、生活の質の改善を目標にする化学療法を行います。また、手術前に腫瘍を縮小させ、手術による侵襲を減らすための術前化学療法も行っています。治療内容は、各種がん治療の最新ガイドラインに則った、標準治療を基本としています。近年、様々な分子標的治療薬や、免疫チェックポイント阻害剤などの新規治療薬の開発が活発になっていて、消化器癌に対しても次々と臨床に適用されることで、治療選択肢が増えつつあります。また、人口の高齢化に伴い、癌患者における高齢者の割合も増加していて、癌以外の様々な疾患(合併症)を抱える患者さんが増えてきました。合併症によっては、使用が制限される治療薬も多く、患者さん毎の最適な薬剤選択や治療スケジュールの調節は、ますます複雑化してきています。わたしたちは、常に最先端の治療を目指して、積極的に新規治療法を導入するとともに、治療目標に即した患者さん毎に最適化された治療方法を安全に行うことを、最も大切にしています。患者さん毎の治療方針については、チームで相談し、複数の医師が確認しながら化学療法を実施していますので、ご安心ください。
炎症性腸疾患 潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患の患者数は年々増加していて、当院でも多くの患者さんが診療を受けています。
治療方針やガイドラインに沿った偏りのない基本治療の上に、新たに保険適応を受けた新規薬剤などを適宜組み合わせ、症状のコントロールと共に粘膜病変の治療を目指した治療を行っています。
胆・膵疾患 胆膵領域の診療では特に早期の胆道癌や膵癌の発見に注力しており超音波内視鏡(EUS)やERCPによる精査を積極的に行っています。
治療においては胆管ステント、乳頭切開、EUS下ドレナージなども積極的に行っております。同時に進行癌に関しては化学・放射線療法を導入しております。また良性疾患として胆石に関しては内視鏡治療を主体とし、いつでも緊急対応を行っております。慢性膵炎は早期診断から膵管ステント治療まで行い、自己免疫性膵炎などの免疫疾患も広く対応する施設となっております。
C型慢性肝炎 積極的にウイルス排除を目的に、従来のインターフェロン治療に頼らないDAAs製剤(直接作用型ウイルス剤)を導入しています。これらの治療により、高い奏効率を達成しています。上記治療の対象とならない患者さんは、肝機能の安定を図るため、内服薬(ウルソなど)、強力ミノファーゲンCの注射を組み合わせて治療しています。また合併症(肝癌や食道静脈瘤など)の精査の為。定期的に画像検査(超音波・CT・MRIなど)や内視鏡検査を行っています。
B型慢性肝炎 C型慢性肝炎と同様に定期的な通院は必要です。
現在は高ウイルス量の方や線維化の進行した方は、核酸アナログの内服やインターフェロンによる治療を行っています。
肝癌や食道静脈瘤の精査のために定期的に画像検査(超音波・CT・MRIなど)や内視鏡検査を行っています。
肝硬変 合併症の精査を中心に治療にあたっています。
肝性脳症の予防や腹水の治療を行い、肝癌の早期発見に努めています。
栄養が低下した患者さんに対しては内服薬による栄養管理を行っています。
難治性腹水の患者さんには腹水ろ過濃縮再静注療法をおこなっています。
肝癌(肝細胞癌) 肝硬変の状態や肝細胞癌の大きさや個数により、治療法を選択します。
血管造影による抗癌剤の動注療法や塞栓術、経皮治療としてラジオ波(RFA)、エタノール注入療法(PEIT)を行っています。また、症例によりリザーバーを留置し、外来において抗癌剤の動注療法を行っています。

医療設備

  • 電子内視鏡システム8台
  • X線透視2台
  • 超音波4台
  • ESWL1台
  • MRI2台
  • CT3台

特殊検査

内視鏡検査 胃カメラ  (月・火・水・木・金の午前)
大腸内視鏡 (月・火・水・木・金の午後)
ERCP    (月・火・木・金の午後)
EMR・ESD (月・火・木・金)
腹部超音波 月~土の午前・午後

Q&A

当院消化器内科では、食道、胃、腸の消化管疾患、肝・胆・膵疾患など腹部全般にわたる病気の診断と治療を行っています。
がんの根治治療にとって最も大切なことはより早期の段階で発見し、苦痛の少ない、過不足のない治療を提供することです。これを目指して専門のスタッフが鋭意努力しています。
その中でもよく患者さんから聞かれるご質問について、簡単にまとめましたのでご覧ください。

 

Q1.胃がキリキリ痛むのですが・・・

胃痛は種々の消化器疾患で発症します。その性状によって概ね病気を推定することが可能です。
痛みが発現する時間帯、長さ、広がりなどを参考にして、どの臓器にターゲットを絞って検査をするかを決めます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、空腹期や夜間に痛みが発現し、食事をすると痛みが軽減、消失するのが特徴です。食後などに右の肋骨の下からみぞおちにかけて冷汗が出るぐらいの激痛が認められることがあります。膵炎では、みぞおちから左側に痛みがあり、同時に背中側に痛みを伴うことがあります。虫垂炎(俗に盲腸と言われている)では、みぞおちの不快感や痛みで発症します。一方、胃癌や膵癌では進行すると、胃痛が出現することがあります。 いずれにしても、胃痛があれば市販薬や民間療法に依らず、医師にご相談下さい。

 

Q2.数か月前より下痢が続いて治りません

食中毒やウィルス性腸炎では、頻回の下痢、嘔吐を特徴としますが、一週間以上症状が続くことは稀です。
1か月以上にわたり下痢が続く場合には慢性疾患を考える必要があります。一般に小腸疾患では便量が多く、大腸疾患では少ない傾向があります。排便により腹痛が改善する場合には、腸のぜん動運動が亢進している過敏性腸症候群のことが多いです。この病気は、ストレスとの関連性が強く、生活環境の変化や職場環境の変化などが誘因になって発症することがあります。しかし、出血を伴うことはありません。
出血を伴う場合には、癌を含めた悪性腫瘍、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患などを考慮する必要がありますので、排便時には出血の有無を必ず確認して下さい。大腸癌では、当初は便秘気味で、便の太さが細くなり、その後、下痢便になることがありますので、便の太さ(便柱)にも気を付けて下さい。わが国では欧米並に大腸癌の発症が急増しています。
 

Q3.胃や大腸にできるポリープは取る必要がありますか?

胃と大腸ではポリープに対する対応は異なります。
胃ポリープは良性ポリープが圧倒的に多く、癌化することは稀です。特に、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していない胃粘膜に発生する胃底腺ポリープ(多発性のことが多い)では癌化することは極めて稀です。ピロリ菌は6歳ぐらいまでに感染することが多いですが、感染が続きますと、胃粘膜萎縮(慢性胃炎)を来たします。この胃粘膜を背景として過形成性ポリープが発生することがありますが、このポリープの場合も癌化は稀ですが、ピロリ菌除菌で治療を行ったり、2cm以上の大きなものでは癌の併存のリスクを考え内視鏡治療を考えることがあります。
一方、大腸ポリープは、多くは腺腫と呼ばれる腫瘍性のポリープです。このポリープは、大きくなるにつれ癌化の可能性が高くなりますので、5mmを越える場合には積極的に内視鏡的に切除します。
胃ポリープ、大腸ポリープともに、癌を合併していることがありますが、癌が粘膜に留まっている場合には内視鏡的切除で根治できます。

 

Q4.胃カメラって苦しいですか?

苦しさは人によって大きく異なります。
一般に若い人では苦痛が強いようです。苦痛無く検査する方法が色々と考えられています。最近では鼻からのカメラ(経鼻内視鏡検査)が苦痛の少ない検査法として注目されています。しかし、画質や操作性が通常の内視鏡よりも劣っており、見落しが心配されるため、当院では患者さんにお勧めしていません。どうしてもと希望される方には経鼻内視鏡検査は可能ですが、出来るだけ経口内視鏡検査を行っています。
当院では苦痛を取り除くために、通常の局所(のど)麻酔に加え、ご希望の患者さんには、少量の安定剤を投与して検査を行っています。これが患者さん達には好評です。また、私共、検査をする医師にとっても、患者さんが嘔吐反射(えずき)しないので、ゆっくり丁寧に観察することができ、安心です。

Q5.肝機能障害があると言われたのですが・・・

AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇を認めた場合、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス等のウィルス性肝疾患の他に、脂肪肝やアルコールによるもの等、様々な要因が考えられます。
患者さんに自覚症状が認められないことが多く、診断された時には、肝障害が進行していることもあります。
肝機能障害を指摘されたら、一度、医師の診察を受けて下さい。
 

早期膵がんプロジェクト

膵がんの早期診断を目指した取り組み・臨床研究についてのお知らせ

~大阪市北部早期膵がんプロジェクト~
 

目的

膵がんは早期診断が難しく、難治性の悪性腫瘍として知られています。当院では、医師会や近隣の総合病院と合同で、膵がんの早期診断を目指した地域連携の取り組みと臨床研究を行っています。

 

 

方法

参加施設・組織:北野病院、淀川キリスト教病院、大阪市立総合医療センター、大阪府済生会中津病院の4病院と、北区、大淀、東淀川区、都島区の各医師会、医療機関。

対象:2014年4月1日より2019年3月31日までに膵に異常所見を認め、精査を受けられた方。

方法:膵腫瘤や膵嚢胞性病変、膵管拡張など、膵疾患を有する方を対象に、精査と定期的なフォローアップを行います。かかりつけ医と連携してフォローアップする場合、「膵疾患地域連携クリニカルパス」を用いる場合があります。

以下の診療情報を記録、収集させていただきます。

  • 基本的な情報:年齢、性別、家族歴等
  • 検査の情報:CTやMRI、内視鏡検査等の結果
  • 膵がん発症の有無や経過
 
 

予想される利益・不利益

通常診療の範囲内での取り組みですので、特別な利益や不利益はありません。

 

プライバシーの保護

データ収集の際には、患者さん個人を特定しうる情報(個人情報)は院内で厳重に管理し、個人が同定されないよう匿名化した上でデータの収集、解析が行われます。
この取り組み・研究の成果は、学会や医学雑誌などに発表されることがありますが、その際にあなたのお名前や身元などが明らかになることはありません。
また、この取り組み・研究は各病院の倫理委員会の承認を得ており、患者さんの権利が守られている事や医学の発展に役立つ情報が得られるであろうことが複数の専門家により認められています。

 

取り組み・臨床研究への質問や辞退について

この取り組み・臨床研究に関してご質問がある場合や、対象となる方でご自身のデータが研究に利用されることを拒否される場合は、お手数ですが主治医または以下の連絡先へご連絡ください。

 

分担研究者 大阪府済生会中津病院 消化器内科(代表電話:06-6372-0333)

副部長 古松 恵介

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