外観

ごあいさつ

地域の先生方には平素より大変お世話になりありがとうございます。令和7年4月より外科・消化器外科 主任部長に着任しました外山博近と申します。前任地の神戸大学を中心に、膵臓手術のエキスパートとして膵癌に対する拡大手術、ロボット手術、膵臓移植など、膵臓に関するあらゆる手術を1000例以上行なってきました。当院においても引き続き消化器がんの積極的手術治療、ロボット手術や腹腔鏡手術の低侵襲手術、地域の先生方のニーズに迅速にお応えする救急医療に力を入れてまいります。外科治療の可能性がある患者さん、お困りの患者さんがいらっしゃいましたらぜひ一度ご相談ください。ご相談いただいた患者さんは当科が責任をもって対応いたします。

当院の外科・消化器外科の特徴

1.“あきらめない”がん治療
当院は大阪府がん診療連携拠点病院として、高度ながん診療を行っています。消化器外科、消化器内科、放射線診断・治療科、病理診断科の専門家との横断的なチームワークで、“迅速”“正確”な癌の診断・治療を行なっています。当科には食道・胃・大腸・肝臓・膵臓・胆道癌それぞれの癌のエキスパートが在籍しており、病状や患者さんのご希望に合わせて、化学療法、放射線治療も組み合わせた“オーダーメイド治療”をご相談させていただきます。また、がん診療においては手術だけでなく手術後も質の高いフォローアップ、日常診療を継続することが重要となりますが、そのためには地域の先生方のお力添えが不可欠です。胃がん、大腸がんのがん地域連携クリニカルパスをはじめ、地域の先生方とコミュニケーションをとりながら、“患者さんファースト”ながん診療を実現します。

2.胆石・ヘルニアなどの良性疾患の手術治療
当院では毎年多くの良性疾患の手術を行なっていますが、できるだけ患者さんの負担が少ない治療方法を選択するだけでなく、治療時期や入院期間など患者さんの仕事や生活におけるご希望に最大限沿うよう柔軟に対応しています。

3.全臓器のロボット手術・腹腔鏡手術の推進
当院では手術支援ロボット「ダ・ヴィンチXi」を導入しております。消化管、肝胆膵の全ての領域でロボット手術および腹腔鏡手術のエキスパートが在籍しており、年々ロボット手術の割合が増えています。病状に合わせてできるだけ手術の負担が少ない手術方法を提案しています。

4.救急医療の充実
当科では従来にもまして救急医療に力を入れています。軽快なフットワークと良好なチームワークで24時間365日体制で救急疾患に対応しています。緊急手術が検討される場合だけでなく、ご判断に迷われる場合や病状悪化に備えての早目のご相談でも構いません。幸いにして手術を免れた場合でも当科が責任を持って対応させていただきますのでお気軽にご相談ください。

5.セカンドオピニオン
消化器癌では施設や外科医の力量や経験によって切除可能範囲や適応が異なることがあります。当科ではセカンドオピニオンを積極的に受け付けています。他院で切除不能とされた患者さんでも切除できる可能性がありますので、お困りの患者さんがおられましたら是非ご相談ください。

外科・消化器外科部長
外山博近

診療内容

■主な手術と治療の内容
食道がん 食道がんでは、消化器内科、放射線治療科と共同して進行度に応じた治療が必要です。早期の食道がんでは、内視鏡による切除を行うことが可能です。進行がんでは、抗がん剤による化学療法の後に手術を行うことでより高い治療効果が期待できます。手術が適応とならない場合は抗がん剤と放射線を併用した「化学放射線療法」を考慮します。手術はほぼ全ての症例で胸腔鏡・腹腔鏡手術を用いて行なっており、体への負担を軽減するとともに、胸腔鏡・腹腔鏡の鮮明な画像によって、確実な病変の切除と神経の温存による合併症の予防に努めています。
胃がん 早期の胃がんには内視鏡による切除を選択し、内視鏡治療では根治性が得られない病変に手術を行います。体への負担の軽減するために、多くの症例でロボット支援手術(ダ・ヴィンチ)や腹腔鏡手術により精緻な手術を行っています。病状によっては、手術での治療効果を損なわず、臓器、臓器機能の温存を目指して縮小手術(幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術、胃局所切除術、内視鏡合同手術など)を行っています。
大腸がん ほとんどの症例でロボット支援手術(ダ・ヴィンチ)や腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡の鮮明な画像によって、大腸がんの根治性と周囲臓器機能(排尿、性機能)の温存を追求しています。肛門に近い直腸がんでは、できる限り永久的な人工肛門を避けるように、肛門括約筋機能を温存した手術を行っています。肝臓や肺への転移を伴う症例でも抗がん剤治療を組み合わせて、積極的に切除を行って根治を目指します。
完全な病変の切除のために人工肛門を選択する場合もありますが、当院ではストーマ(人工肛門)外来を併設し、日本看護協会の皮膚・排泄ケア認定看護師が協力して患者さんが安心した生活を送れるよう取り組んでいます。
肝臓がん 肝臓がんは、肝臓の組織ががん化して発生する原発性肝がんと、他の臓器に発生したがん細胞が血流にのって肝臓に転移、発育する転移性肝がんに分けられます。原発性肝がんでは肝切除手術の他にラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)、薬物療法、放射線治療、肝移植などが適応となりますが、これらの治療選択肢を適切に組み合わせて治療を行うことが大切であり、肝臓専門医、肝胆膵外科高度技能専門医が協力して適切な治療にあたります。転移性肝がんは、他臓器のがんが高度に進行した状態ですが、がんが発生した臓器と肝臓の転移を適切に切除できれば根治のチャンスはあります。当初は切除が難しい状況でも、抗がん剤治療を行うことで手術が可能となる場合もあります。
従来、肝臓がんの手術は大きな傷による開腹手術が行われていましたが、当院では肝臓手術のエキスパートにより体への負担の少ないロボット手術や腹腔鏡手術を適切に選択して手術を行っています。
膵臓がん 膵がんは手強い病気であり、切除なしには治癒することはありません。しかし膵臓の手術は難易度が高く、施設や外科医の力量や経験によって切除可能な範囲や手術成績が異なることが知られています。当科には膵臓手術のエキスパートが在籍しており、切除可能な患者さんはもちろんのこと、他施設で手術不能と判断された方であっても、化学療法や放射線治療と組み合わせて切除をチャレンジできる可能性があります(コンバージョン手術)。手術と粒子線治療を組み合わせた新たな治療法開発にも力を入れていますので、手術が難しいと判断された患者様もあきらめずにぜひ一度ご相談ください。セカンドオピニオンも受け付けております。
また、悪性度の低い病変や、早期の膵がんに対してはロボット支援手術や腹腔鏡手術などの低侵襲手術や、膵腫瘍核出術や膵中央切除などのできるだけ膵臓を温存する特殊な手術も得意としており、豊富な経験を有しています。病気を根治するのはもちろんのこと、できるだけ患者さんの負担を少なく、膵機能が温存できるような治療を行なっていますのでぜひご相談ください。
胆道がん 胆汁の通り道である胆道にできた胆道がんはその部位によって胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がんに分けられます。胆道がんでは、病変の部位と進展範囲によって大きく治療法が変わりますので、これらを正確に診断して治療方法、手術方法を決定する必要があります。上記の膵臓がんと同様に、当院での全ての胆道がん患者様をカンファレンスで検討して治療方針を決定しています。胆道がんも膵癌同様切除以外に根治することはほぼなく、施設や外科医の力量が大きく手術成績に影響するがんの一つです。当院ではエキスパートによる積極的な手術治療を行っています。
胆石症 胆嚢の結石は症状が出ないことも多く、胆石に気づかずに生活をしている方も多くおられます。症状のない場合は経過観察も可能ですが、急性の胆嚢炎、胆管炎や膵炎の原因となることもあり、生活の支障となったり、重篤になる前に適切な治療が望まれます。当院では多数の患者様に手術を受けていただいており、胆嚢摘出手術の9割以上に腹腔鏡手術を行っています。傷が小さく、体に負担の少ない手術を行うことによって、手術後3~4日で退院できます。
鼠径ヘルニア いわゆる“脱腸”といわれる疾患で、外科手術が必要となります。多くの症例で早期の回復、社会復帰を目指して、傷が小さくかつ根治性の高い腹腔鏡下ヘルニア修復術を中心に行っています。腹腔鏡手術が適さない場合でも患部を切開して治療する前方アプローチ法で確実な治療を行います。いずれの手術法でも入院から退院まで約4日間で、患者様のご病状やご希望、ライフスタイルにあわせて柔軟な対応が可能です。
  • 低侵襲手術・・・身体に負担の少ない手術
  • 機能温存手術・・・身体の機能を極力損なわないようにする手術
  • 根治手術・・・がんを全て取り除く事を目標とした手術
  • ストーマ・・・人工肛門・人口膀胱
  • リンパ節郭清・・・リンパ節をすべて取り除く
  • 予後・・・手術後の状態や病気の将来的な状態
  • QOL・・・クオリティオブライフ(生活の質)
  • 病巣・・・病気の中心部、病気のある箇所

■ 実績

2024年度の主な疾患・臓器の手術件数は以下のとおりです。
疾患・臓器 2024年
食道 5 (胸腔鏡5)
46 (ロボット26, 腹腔鏡19)
結腸 88 (ロボット11, 腹腔鏡76)
直腸 29(ロボット11, 腹腔鏡18)
肝臓 46 (ロボット19, 腹腔鏡23)
膵臓・胆道 20(ロボット10, 腹腔鏡1)
胆嚢 136(腹腔鏡135)
鼠径ヘルニア 131(腹腔鏡119)
虫垂炎 44 (腹腔鏡43)
全手術症例数 803

データベース事業への参加について

当科はNational Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。

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