外観

療法例

理学療法

  

オーダーは多岐にわたりますが、一番多い診療科は整形外科で全オーダーの3割強です。整形外科的疾患で特に多いのは変形性股関節症、変形性膝関節症に よる人工股関節置換術、人工膝関節置換術で、手術後3週間でご自宅へ退院できることを目標に取り組んでいます。専門班を作り専門的に行っているのは、外科、呼吸器外科、心臓血管外科などの周術期のリハビリ、乳がん手術後のリハビリ、循環器内科の心臓リハビリです。集中治療室内のリハビリを行う必要性がある呼吸器外科、外科等の患者さんの場合は、手術前に外来でリハビリを開始し、患者さんの状態を評価させていただきます。そして手術後にどのようなリハビリを行うかを説明し、手術日までに自宅で行っていただく訓練の指導も行っています。
 

集中治療室、周術期のリハビリ

近年、手術前や手術翌日、さらには集中治療されている時から、リハビリを行っていくことが、早期回復や早期退院につながるとされています。また、早期のリハビリが寝たきり予防につながるとも言われています。当院では、患者さんが集中治療室で治療を受けている段階からスタートすることがあります。例えば、重症肺炎による人工呼吸器管理中の患者さんでは、二次的に生じる合併症の発生による更なる重篤化を回避することを目的として体位ドレナージ(注1)による排痰や、全身状態に合わせて早期離床(注2)をめざします。

周術期のリハビリでは、術後合併症の予防と発生した合併症の早期改善を目的とします。当院では、外科や呼吸器外科、心臓血管外科などの術後リハビリをよりスムースに行うために、全例ではありませんが、術前から呼吸練習や咳の練習及び術後の離床に関して説明・指導を行っております。術後は術前の指導内容に沿って離床・歩行練習を進め、必要であれば呼吸練習や喀痰練習も行います。

注1 体位ドレナージ:体位を変え、重力を利用して痰を出す

注2 離床:ベッドから離れ、座位や歩行をすること
 

心臓リハビリ

心臓リハビリは、急性心筋梗塞・心不全・狭心症まで様々な心臓病の患者さん対して評価を行い、一人一人に最も適した運動方法(運動の種類・強さ・時間など)を考え、理学療法士の監視のもとで、心電図や血圧などを確認しながら、安全にリハビリおこなっていただいています。また、安心して自宅復帰をしていただくために、退院後の運動方法や生活に関する指導などもおこなっています。よい効果を得るために、入院中だけでなく退院後も外来通院心臓リハビリを継続することもあります。
 

乳がんのリハビリ

乳癌術後のリハビリとして、手術後翌日から、浮腫予防の為のリンパマッサージ・ストレッチやマンマ体操・日常 生活での注意点などを指導しています。当院では手術は乳房温存術が主流で、術後の機能障害は軽度の場合が多いですが、腕を動かすことに恐怖心の強い患者さんもおられ、安心して運動できるよう女性スタッフが中心にサポートしています。

作業療法

作業療法では、病気やケガ・手術などによって、心身の機能が低下し、日常生活に支障をきたした患者さんに対してリハビリを行います。具体的には、食事を摂る、服を着替える、歯磨きや髪を整える、入浴などの日常生活活動や、家事動作などの改善をめざし、早期の自宅復帰、社会復帰をめざしてリハビリを行っています。

診療科からの依頼は多岐に渡りますが、脳神経内科(脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの神経疾患)、脳外科(脳出血やクモ膜下出血)、整形外科(頚椎症、手の骨折・腱損傷、人工関節置換術後)、老年内科(認知症や誤嚥性肺炎など)の割合が比較的高くなっています。

また、各診療科からのオーダーで生活機能の評価や指導を行い、スムースな退院に必要な介護や福祉サービスについての助言も行っています。
  

言語聴覚療法

当院の言語聴覚療法室は、昭和63年に形成外科口蓋裂センターの音声言語治療室として開設され、現在に至っています。現在、当院の言語聴覚療法の対象領域は、脳卒中後による言葉や声、発音の障害(失語症、構音障害)、高次脳機能障害に加え、食べたり飲んだりすることの障害です。さらに聴力測定検査、新生児スクリーニング検査、補聴器の調整も行っています。耳鼻科疾患による音声障害にも対応しています。

このように幅広い多岐に渡る領域で、医師、看護師、PT、OT、MSWなど様々な職種やご家族と連携して、「コミュニケーション」の面からご自宅へ戻れることを目標にリハビリを行っています。

患者さんの「話す」、「聴く」、「食べる」を支えていきたい…その思いで日々取り組んでいます。

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