ごあいさつ

呼吸器の病気で苦しむ人を少しでも救うために。 医師の育成にも力を入れています。
大阪市の中心部に位置する基幹病院として、地域の診療所と連携して、排菌結核を除くあらゆる呼吸器の疾患を対象に診療を行なっています。
呼吸器外科、放射線治療科をはじめとした他科、他職種との密接な連携のもと、患者さんに寄り添い、患者さんの視点に立ってよく話し合った上で、常に最新の標準的治療を行うように心がけています。
地域の医療に貢献できるよう、最近では新型コロナウイルス感染症診療にいち早く取り組み、大阪府の重点医療機関として軽症から重症まで積極的に数多くの患者さんの治療にあたってきました。
肺がん、肺炎、喘息・COPD、間質性肺炎、睡眠時無呼吸など、呼吸器の病気は多岐に渡り、呼吸という生命の根幹に関わる臓器を対象とする呼吸器内科の果たすべき役割は非常に大きいと考えています。
中津病院呼吸器内科は、日本呼吸器学会・日本呼吸器内視鏡学会の認定施設、日本アレルギー学会の教育施設であり、次世代を担う若手の呼吸器内科医の育成にも力を入れています。
中津病院呼吸器内科部長
上田哲也
診療内容
- 気管支鏡検査
- 2024年度は274件施行しました。
- 厳密に適応を絞って入院の上検査を実施しています。超音波内視鏡システムや気管支鏡シミュレータを用い、診断率の向上に努めています。
- クライオバイオプシーのシステムも近日中に導入されます。
- 肺がん
- 原則、気管支鏡検査や経皮生検などにより病理診断(遺伝子検索等も)、CT・MRI・FDG-PETなどにより病期診断を行い、年齢や合併症、全身の状態、本人・家族の希望などを考慮し、呼吸器外科・放射線治療科と相談の上治療を行っています。非小細胞肺がんでは、大まかに分けるとⅠ・Ⅱ期は外科的切除を、Ⅲ期は放射線化学療法±免疫治療を、Ⅳ期は遺伝子変異の有無を確認して、化学療法or免疫治療or化学療法+免疫治療を行っています。小細胞肺がんでは、限局型に対し同時放射線化学療法を、進展型に対しては化学療法(+免疫治療)を行っています。上記の治療と並行し、必要であれば緩和ケアチームと連携のもと緩和治療も行っています。西日本がん研究機構(WJOG)等の研究グループが実施している臨床試験にも一部参加しています。
- 気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・慢性咳嗽
- 長引く咳の多くは気管支喘息ですが、他の疾患であることも少なくなく、的確に診断し治療しています。必要に応じ気道過敏性検査も行っています。気管支喘息に対しては吸入ステロイド薬・吸入β2刺激薬中心に治療を行っていますが、とくに重症難治性喘息の場合には、耳鼻咽喉科などとも連携のうえ、生物学的製剤を積極的に導入し、極力全身ステロイド薬を使用しない治療をこころがけています。COPDに対しては吸入抗コリン薬・吸入β2刺激薬中心に治療を行っています。 慢性呼吸不全例には、短期間の入院リハビリテーション・在宅酸素療法・NPPVを行っています。どこの調剤薬局でも適切な吸入支援が受けられるよう、北野病院・住友病院と連携し、地域の医師会・薬剤師会の協力のもと、「おおさか吸入支援連携システム」を立ち上げました。
- 呼吸器感染症
- 起因菌同定の努力をしつつ、エンピリックに治療を開始し、起因菌の判明に合わせ抗菌薬の選択を行っています。
- 結核病床は保有していませんが、非排菌の肺結核や結核性胸膜炎、肺非結核性抗酸菌症に対しては診療を行っています。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だけでなく、インフルエンザ、さらには麻疹や百日咳など、流行する呼吸器感染症に対応できるよう、感染管理室などと協力して積極的に診療できる体制を整えています。
- 間質性肺炎
- 進行する特発性肺線維症(IPF/UIP)に対しては抗線維化薬を使用、その他の間質性肺炎に対しては気管支鏡検査(気管支肺胞洗浄・経気管支肺生検)などで診断を付け、ステロイド薬や抗線維化薬の使用の適否を判断しています。
- 睡眠時無呼吸症候群
- 終夜睡眠ポリグラフ(PSG)を行い、中等症以上の症例に対し持続陽圧呼吸療法(CPAP)を導入しています。
■主な診療内容の分類と具体的な病名
| 分類 | 具体的な病名 |
|---|---|
| 腫瘍性疾患 | 肺がん、胸膜中皮腫、肺良性腫瘍 |
| 感染性疾患 | 肺炎、COVID-19、肺真菌症、肺結核症(非排菌)、肺非結核性抗酸菌症、急性膿胸 |
| 気道系疾患 | 気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支拡張症 |
| びまん性肺疾患 | 間質性肺炎、好酸球性肺炎、過敏性肺炎 |
| 呼吸不全及び呼吸調節障害 | 急性・慢性呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群 |
実績
■2024年度(2024年4月~2025年3月)実績
| 入院患者数 | 1501人 |
|---|---|
| 外来患者数 | 19285人 |
| 1日平均入院患者数 | 55.3人 |
| 一般病床の平均在院日数 | 14.8日 |
■病名から見た主な疾患別の入院患者数
| 肺がん | 628人 |
|---|---|
| 肺炎(COVID-19除く) | 293人 |
| 間質性肺疾患 | 107人 |
| COVID-19 | 85人 |
| 睡眠時無呼吸 | 56人 |
| COPD(慢性閉塞性肺疾患) | 37人 |
| 喘息 | 33人 |
| 肺非結核性抗酸菌症 | 27人 |
| 胸水(膿胸含む) | 26人 |
| 気胸 | 18人 |
| 喀血 | 16人 |
| インフルエンザ | 12人 |
| 結核 | 11人 |
| 悪性胸膜中皮腫 | 10人 |