特長
主な疾患の治療方針
聴覚障害 | ・幼小児からご高齢の方までの難聴の診断と治療(補聴器の調整とリハビリテーション)を行ないます。 →水曜、木曜午後に補聴器外来を開設(完全予約制、初回は一般外来を受診していただきます) ・新生児聴覚スクリーニングと、その後の聴覚のフォローアップも状況に応じて行なっています。 |
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音声障害 | ・声帯ポリープの切除手術のほか、声帯麻痺(反回神経麻痺)による嗄声(声がれ)に対する音声改善手術(枠組み手術、声帯内脂肪注入)などを行ないます。 →水曜午後に喉頭外来を開設(完全予約制、担当は中井応援医師、初回は一般外来を受診していただきます) →リハビリテーション技術科との連携により、音声治療、音声関連の検査(音響分析、音声機能検査)等を行ないます。 |
慢性副鼻腔炎 | ・内視鏡手術を、高解像度カメラ、ナビゲーションシステムを活用しながら行います。 ・かかりつけ医と連携をとりつつ、手術後も継続して治療を続けます。 |
中・内耳疾患 | ・突発性難聴、顔面神経麻痺などの急性神経障害は、約1週間の入院による安静、薬物療法で対応します。 ・真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術、鼓膜穿孔(慢性中耳炎)に対する鼓膜・鼓室形成術、小児滲出性中耳炎に対する鼓室チューブ留置術などの手術を、全身麻酔で行います。 |
頭頸部腫瘍 | ・口腔・咽頭の腫瘍、喉頭腫瘍、鼻・副鼻腔腫瘍、甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍、頸部リンパ節腫などの診断、治療を行います。 ※一部の悪性腫瘍(がん)の治療は、がん治療専門施設などで受けていただきます |
Q&A
Q1.「耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科」とは?
中津病院では「耳鼻咽喉(いんこう)科」ではなく「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」という名前になっています。大学病院や地域の基幹病院でも、この呼び名が使われることが多くなっています。名前が変わった理由の一つは、病院に勤務する耳鼻咽喉科医師の主な仕事が、手術中心の入院治療になっていることです。中耳炎、副鼻腔炎(ちくのう症)、扁桃腺、声帯の手術のほか、頭頸部腫瘍(首のしこり、鼻・口・のどのできもので、良性、悪性さまざま)の治療に多くの時間を費やしています。当院の耳鼻咽喉科医師の一日は、午前8時前の入院されている方の回診からはじまり、午前中は外来と手術を分担して担当、月曜、木曜、金曜の午後はみな手術室へ出向いています。
【メモ】入院治療について
手術目的以外に入院していただくこともあります。突発性難聴、顔面神経麻痺、食べるのが困難な扁桃炎・咽頭炎などの場合、手術以外のがんの治療(抗がん剤、放射線治療など)をする場合などです。
Q2.外来での待ち時間が長いと言われますが
耳鼻咽喉科の外来は、子供さんの鳴き声が響き渡る、混雑して待ち時間に座る席もない、そしていったん呼ばれて診察室に入ると処置を受け吸入をして薬をもらって帰る、という印象を持っておられる方が多いと思います。しかし最近、病院の外来の様相は大きく変わっています。待合での込み具合はそれほどでもなく静かですが、待ち時間はむしろ以前よりも長いことも多くなっています。これは病院の耳鼻咽喉科外来での診療内容が大きく変わったためです。
外来は、まず入院治療が必要かどうかの判断をする場となっています。入院治療となれば、病気の内容にかかわらず治療を受ける方、ご家族もご不安は大きいものです。少しでも不安が少ない状況で治療を受けていただけるよう心がけています。また外来では、退院後の診察も重要な仕事です。特に腫瘍(がん)の治療をうけられた方は再発していないかなど、常に不安を抱えられています。十分にお話をお聞きし、速やかで細やかな対応ができるよう心がけています。
受診していただく方には、いろいろな事情がおありと思いますが、私たちの医療提供を支えていただくためにも、まず病院での診察が必要かどうかを、かかりつけ医あるいは近くの開業の先生に相談していただくようお願いしています。大変なご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
【メモ】耳鼻咽喉科のかかりつけ医
“かかりつけ医”とは、普段からの健康相談を含めた地域医療に携わっていただいている先生方を指しています。詳しい検査が必要な場合や、急変がある場合などには、かかりつけ医の先生から連携する医療機関(専門的な治療をおこなう機能)に速やかに紹介できる体制を整えています。
耳鼻咽喉科のかかりつけ医の先生方には、みみ・はな・のどの不安な症状に対する相談や、治療方針がある程度決まっている中耳炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など、外来で対応できる疾患の処置・治療をお願いしています。私たちは、かかりつけ医の先生方からの依頼に速やかにお応えできる医療の提供を目指しています。
Q3.耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門外来について
中津病院で力を入れている領域のうち、外来で治療することになるものについては専門外来を開き、時間をかけて診療しています。「補聴器外来」と「音声喉頭外来」です。
「補聴器外来」では、手術や薬による治療では治すことのできない難聴の方に対して、補聴器の調整、補聴器を用いた聴覚リハビリテーションをおこなっています。幼小児からご高齢の方すべてが対象です。水曜、木曜午後に開いています。すでに他の店舗で補聴器を購入したけれどもうまく使いこなせない、という方も多くおられます。そのような場合でも、再調整をおこなっています。
「音声喉頭外来」では、声に関する悩みについて広く診断、治療(リハビリテーションを含む)をおこなっています。扱っている病気には、声がれをおこす声帯ポリープ、声帯結節、声帯麻痺、詰まったような声になるけいれん性発声障害などがあります。どんな治療がよいか、手術なのか、薬による治療なのか、音声治療(リハビリテーション)が必要なのか、などの判断をおこなっています。
【メモ】専門外来の受診方法は
専門外来は完全予約制となっています。もしご希望いただいても、直接受診することはできません。一回は一般外来を受診していただき、診察医の判断で予約を取らせていただいています。専門外来の受診が、必要な検査を受けていただいてからになることもあります。
Q4.耳鼻咽喉科の病気についての情報
耳鼻咽喉科の病気についての説明や、症状についての対応などは、インターネット上で検索していただければ数多くの情報を得ることができます。興味のある方は、例えば以下をご覧ください。術後耳の耳型採取
【術後耳の耳型採取について -認定補聴器専門店の担当者へ】
術後耳の耳型採取が必要な方を当科に案内して頂く場合、担当者の方はあらかじめ当科外来に電話で問い合わせてください。受診の手続きについてお伝えします。
その際、店舗名、担当者名、指導を受けている補聴器相談医をお伝え下さい。
- 電話は、平日の午後2時から午後4時の間でお願いします。
- 手続きのため、受診される方の名前、生年月日をお聞きします。 (お聞きした情報は、本手続きにのみ使用します)
- 貴店での調整記録等を持参してもらってください。
- 予約診療ではありません。ある程度のお待ちいただくことになります。
- 受診される方の自己負担額は、選定療養費を含めると10,000円程度になることをお伝え下さい。(必要に応じて、耳型採取以外に検査等を実施します)