

ごあいさつ

根治性とQOL(生活の質)の両立を目指した治療をこころがけております。
泌尿器科診療における対象臓器は、男女共通の尿路(腎臓・尿管・膀胱)と男性生殖器(前立腺・精巣・陰茎)、また副腎などの後腹膜腔の疾患も診療の対象となります。外科的治療においては、ロボット支援手術を含め、内視鏡を用いた低侵襲手術を積極的に行い根治性とQOLの両立を目指した手術を心がけております。また超高齢化社会を迎え、前立腺肥大症や過活動膀胱などの良性疾患も増加の一途をたどっております。良性疾患についてはQOLの向上が最も重要であるとの考えております。診療においては患者様と、そのご家族も含めしっかりとお話をおうかがいし、よくご相談させていただいたうえで治療方針を選択するようにしております。前立腺肥大症の治療においては、前立腺の肥大した部分に水蒸気を注入し、水蒸気の熱を利用して前立腺を小さくさせる身体への負担が少ない治療法である、WAVE治療(経尿道的水蒸気治療)をおこなっております。WAVE治療は、これまで合併症のリスクが高い、高齢である、抗血栓薬が中止できない等の理由で外科的治療が受けられなかった患者様も治療可能な低侵襲的外科的治療です。少しでも患者様、そしてご家族に寄り添い、お役にたてるよう泌尿器科チームで診療にあたります。
泌尿器科部長
上原 博史
診療内容
分類 | 具体的な病名 |
---|---|
腫瘍 | 腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣癌がん、副腎腫瘍 |
排尿障害 | 前立腺肥大症、神経因性膀胱 |
尿路結石 | 腎結石、尿管結石、膀胱結石 |
感染症 | 腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、精巣上体炎 |
実績
■悪性腫瘍
膀胱がん | 内視鏡手術等で膀胱の温存を目指しますが、浸潤例および再発を繰り返す場合は、膀胱全摘を行います。膀胱全摘の場合、尿路変更が必要となります。 |
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前立腺がん | 前立腺がんには様々な治療がありますので担当医に相談ください。手術、放射線(IMRT)、内分泌療法、待機療法など治療法がありますが、一長一短あり病期によってはできない治療もあります。適応者につきましては、担当医に相談してください。2017年11月より当院でもロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を開始いたしました。より低侵襲で繊細な手術が可能となっております。 |
精巣腫瘍 | 手術療法および化学療法、放射線療法での治療が可能です。 |
副腎腫瘍 | 腎とは、ホルモンを分泌する臓器です。腫瘍を形成し、ホルモンを過剰分泌する場合があります。摘出する場合、ほとんどの症例を腹腔鏡手術で行っています。 |
尿失禁 | 原因は様々です。ひとりひとりにあわせた治療が必要ですので担当医に相談してください。 |
尿路結石 | 腎尿管結石に対しては平成25年1月から最新の体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)、平成27年1月からはf-TUL(経皮的尿路結石除去術)よる治療が行えるようになりました。膀胱結石に対しては内視鏡を用いて破砕します。 |
感染症 | ほぼ外来治療で可能ですが、重篤な場合は入院加療が必要です。 |
■年間手術症例数
術式 | 2023年 |
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ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術 | 34 |
ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術 | 12 |
腹腔鏡下副腎摘除術 | 1 |
開腹腎摘除術 | 0 |
開腹前立腺全摘術 | 0 |
腹腔鏡下腎部分切除術 | 0 |
腹腔鏡下腎摘除術 | 5 |
腹腔鏡下腎尿管全摘術 | 10 |
経尿道的尿管砕石術(TUL) | 32 (f-TUL:13) (r-TUL:19) |
体外衝撃波結石破砕術 | 29 |
開腹膀胱全摘術 | 1 (尿管皮膚瘻造設術:0) (回腸導管造設術:1) (新膀胱造設術:0) |
膀胱部分切除術 | 0 |
経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 114 |
経尿道的前立腺切除術 | 12 |
高位精巣摘除術 | 2 |
陰嚢水腫根治術 | 3 |
外科的去勢術 | 4 |
陰茎切除術 | 0 |
前立腺生検術 | 174 |
IkiIkiNakatsu 119号 特集「泌尿器科」
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